山雅 今季どう挑む

170101yamp昨季は年間3位ながら昇格プレーオフで敗れ、1年でのJ1復帰を果たせなかった松本山雅FC。再び日本のトップリーグを目指し、過去最高の勝ち点を積み上げた昨季を超えるには、これまで以上にクラブ全体の力が問われる。クラブ運営会社の神田文之社長(39)に今季の取り組み方などを聞いた。

-昨季を振り返って。
一昨年のJ1昇格まで右肩上がりだったクラブの流れに、われわれ運営会社も「乗ってきた」部分があった。昨年は初めてカテゴリーが下がる経験をし、何か主体的な動きがほしいと思い、「新・起動」というスローガンを打ち出した。
トップチームは過去最高の勝ち点を積み上げたが、何かが足りなかったのも事実。安定して戦える力は身に付いたが、クラブ全体がさらにもう一歩、力強さを持つ必要があると思う。
-「もう一歩」を埋めるためにどうするか。
昇格を逃したのは、どの試合のどの選手のどのプレーが悪かったということではなく、クラブ全体で足りない点が結果に表れた。
例えば練習環境にしても、松本市などの協力を得て整ってきたが、J1レベルかというと、そうとは言えない。J2を3年で駆け抜けハード、ソフト両面で整備が追い付かなかったこともある。
ただ、最後の最後、どちらに転ぶか分からないような場面をものにする力は、そういう部分を突き詰めていくことで埋めることができるはず。クラブ全体で「J1レベル」に向き合うべき時に来ていると思う。
-集客やスタジアムの魅力発信は。
昨季は「まつもと大歌舞伎」とのコラボレーションなど新しいことに取り組んだが、一昨季よりホーム試合の入場者数が減ったのは事実。課題として受け止めている。
われわれがすべきことは、カテゴリーに関係なく、1人でも多くのお客さんにアルウィンに足を運んでもらう努力や工夫。それがトップチームの後押しにもなる。
非日常のアルウィンに対し、日常に根差したファンとの接点をつくろうと「喫茶山雅」を2月に同市の緑町に開く。思い切った挑戦だが、今後の大きな柱の一つになるはず。
「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」とのコラボも考えている。街の魅力も発信し、街と一緒に盛り上がるクラブになりたい。
-地域の期待は引き続き高い。
「当たり前だと勘違いしてはいけない」と社員やスタッフに常々言い、自分にも言い聞かせている。この熱はもっと高めていけると思うし、僕らが現状に甘えていたら話にならない。そのためのチャレンジをしていかなければ。
昨季を「あの終わり方でよかった。あの悔しさがあったから、今年成長できた」と、振り返ることができる1年にしたい。
(聞き手・長岩将弘)

神田文之社長プロフィール
【かんだ・ふみゆき】1977年、山梨県田富町(現・中央市)生まれ。東京学芸大を卒業し2000年、当時J2の甲府に入団。05年8月、北信越リーグ2部だった山雅に加入し、2試合に出場して1部昇格に貢献。同年引退し、東京の不動産会社の営業職に。12年に山雅の運営会社に入社。管理本部長などを経て15年から現職。