小松憲太 覚悟と決意の移籍「タイでトップに」

140724yamp山雅は13日、塩尻市出身のMF小松憲太が、タイ2部リーグのアユタヤFCに移籍すると発表した。「選手として日本に戻るつもりはない。まずはタイでトップに行き、さらに上を目指す」と小松。大きな覚悟と決意を持ち、新たな道を歩み始めた。

移籍発表の日は、アルウィンで行ったファン感謝デー当日。閉会セレモニーであいさつに立った小松は、声を詰まらせながら言葉を紡いだ。
JFL昇格初年の2010年シーズンに、大卒で入団。当初は別に仕事を持ちながらプレーした。尊敬する松田直樹さんとの出会いと別れ、J2昇格、アルウィンでのゴール-など、さまざまな思いが去来しただろう。
「下手くそで、走ることしかできない自分をずっと応援してくれて、ありがとうございました」。そう締めくくると、大きな拍手と声援が送られた。
「地元だし、他のチームを知らないというのもあるかもしれないけれど、やっぱり自分の中では日本一のチームです」。全てが終わった後、小松は晴れやかな笑みを浮かべた。

今季は出場機会を得られず、かねてから考えていた海外挑戦を具体的に検討。移籍希望先をタイに定め、クラブに意向を伝えた。
チームがJ1昇格に向けて一丸となっている雰囲気に、水を差しはしないか-。そんな心配もあったが、反町監督は「頑張ってこい」と後押ししてくれた。「普段のコミュニケーションは多くないが、それだけに重く響いたし、心強かった」と、小松は振り返る。
7月初めに1週間ほど現地に赴き、練習に参加。「やってやる、という楽しみな気持ちしかない」と手応えを得ている半面、気になるのは国民性や価値観の違いだ。
一例として、時間に関して非常に「ゆるい」という。公共交通が大幅に遅れても、怒る客もいなければ、運行側が悪びれる様子もない。現地でプレーするうちに、サッカーを取りまく環境についても、それを感じる機会は多くなるだろう。
「『タイ流』を受け入れつつ、染まらないように自分らしさを保つのが大事。生活や練習態度は変えるつもりもないし、変えちゃいけない部分だとも思う」と言う。

「わがままを聞いてもらったクラブや、温かく送り出してくれたファン、サポーターの皆さんには、すごく感謝している」と話しつつ、「もしかしたら、そういう部分に甘える意識もどこかにあったのかもしれない、とも思う」と明かす。
移籍先ですぐに活躍できる保証はない。「タイに行けば『外国人』。プレーや言動により責任を持たなければいけないし、結果やチームの勝利にも、もっとシビアにならざるを得ない」と表情を引き締める。
7月中にはタイに渡り、チームに合流する。全18チームで争う2部リーグは20日現在、21試合を終えており、アユタヤFCは9勝3分け9敗で9位だ。
「常に山雅の名を背負って戦うことになる。こちらにも評判が聞こえてくる選手になるよう、頑張ります」。力を込めた言葉に、決意がにじんだ。

【こまつ・けんた】1988年1月19日生まれ。桔梗小-広陵中-武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)-東海学園大。高3時(05年)は主将を務め、全国高校総体に出場した。173センチ、70キロ。
(長岩将弘)