小学生年代の強化とクラブ普及の現状は

170420yamp育成チームのU-12が、小学生の全国大会「JA全農杯チビリンピック」(5月3~5日・横浜市日産スタジアムほか)に北信越代表として出場する。2年連続2度目。昨年を上回る成績を目標に、全国の強豪との対戦を成長の糧にする。強化と並び小学生年代のもう一つの使命である普及の現状も担当者に聞いた。

「チビリンピック」は全国9地区予選を勝ち抜いた10チーム(関東だけ2)が出場。5チームずつ2組で総当たりの1次ラウンドを行い、各組2位までの4チームが決勝トーナメント(T)に進む。
U-12は、昨年度にU-11(5年生以下)チームで県予選(昨年7月)、北信越予選(3月18、19日・富山県)とも制し、出場を決めた。
選手たちは今年の目標を「先輩を超えること」とし、1次ラウンド2分け2敗で敗退した昨年の雪辱を期す。
目指すのは相手の戦い方にかかわらず、攻守とも意図を持ったプレーを徹底するスタイル。漫然とした動きが目立った以前に比べ、「ボールを意識的に動かす手応えはある」と恒本大輔監督(34)。
課題はゴール前での崩し。「ドリブル突破かパスか、どちらかに偏る。『自分が敵だったらどちらが嫌か』を常に意識させ、攻め方の引き出しを増やさせたり、判断力を身に付けさせたりしている」(恒本監督)と言う。
1次ラウンドは鳥栖U-12(佐賀)、ディアブロッサ高田(奈良)、青森FC、江南南少年団(埼玉)と同組。江南南以外は昨年12月の全日本少年大会(全少)に出場し、鳥栖と高田は決勝T(16チーム)に進んだ。全少と学年は代わったが、どこが決勝Tに進んでもおかしくない顔ぶれだ。
初戦(3日)の高田とは昨年も対戦し0-0。大会初白星への思いは強いが、「やってきたことを出し切れるかが、何より大事。その中で結果を出せたら」と恒本監督。
U-12は全少も2年連続で出場中だが、いずれも予選リーグで敗退。全国大会で結果を出し、育成の成果を示したい段階にある。
恒本監督は「将来のプロ入りを見据え、全国の強豪チームや優れた選手たちを肌で感じ、学び取ってほしい」とし、主将の高橋圭太(穂高南6)は「みんなの気持ちも高まっている。1次ラウンドを突破して優勝を」と上を見る。

クラブの普及事業を担うNPO法人「松本山雅スポーツクラブ」が中信地区3カ所を含む県内6カ所で開くサッカースクールには現在、小学生を中心に未就学児から中学生の約600人が通う。
クラブが「育成元年」を掲げた昨年、普及の充実も図り、スクールの時間帯を変更。子どもたちの生活リズムを考え、おおむね午後6~9時に開いていたのを早いクラスは午後4時半に始まり、多くが7時までに終わるようにした。
スタッフも増やし、専任2人を加えたほか、トップチームのコーチ経験がある育成指導者がスクールに携わるようにし、「プロ選手に求められるものを逆算し、普及の現場に落とし込むことができるようになった」と高橋耕司理事長(53)。
塩尻市広丘堅石の民間フットサル場「綿半フットボールパークフットサルポイント塩尻」を会場に、昨春から開くスクール塩尻校は6カ所で最多の約200人が練習。
照明があり夜も使える人工芝グラウンドの存在は大きいが、「地域全体を見れば、環境面はまだまだ」と高橋理事長。グラウンドや指導者が足りず、ホームタウンの中でもスクールを開設できていない地域があるのを課題に挙げる。
スクール以外の普及事業では単発のサッカー教室「クリニック」に加え、未就学児の親子向け運動遊び教室を昨年11月にスタート。3月には、松本市と提携して2014年から開く高齢者向け健康講座を発展させた、初の親子3世代向けの運動教室も開いた。
高橋理事長は「子どもたちが体を動かす機会が減っている」と指摘し、「サッカー以外の競技でも必要な、運動神経の発達や体の使い方の習得を促したい。地域の健康づくり、人育てなどにも貢献できれば」と目的を話す。
(長岩将弘)