子どもの発声の悩みを手助け

ボイスコンサルティング「MAKE UP VOICE(メイク・アップ・ヴォイス)」代表の林重光さん(38、松本市出川)は7月から、スムーズに声を出せない、吃音(きつおん)で悩む子どもを対象にした「いきいきこえあそび」を行っている。一人一人に合わせたプログラムで、日常生活の中に効果的な動作を加え、体の状態を改善。発声、表現できる状態にする。
4~15歳が対象。子どもが日常生活で歌う、話すといった声を出す映像や音声を見聞きし、親と面談。その後、子どもと会い、個々の状態に合わせたプログラムをつくる。1日3分ほどでできる。
たとえば、顎(がく)関節の周囲の筋肉が固まることで、声が出にくく吃音のようになる場合では、水を口に含み、口をあけたままにする。「関節が緩み、声が出やすくなる。小さな子どもは遊び感覚で取り組めるようにしている」と林さん。月1回程度のコンサルティングも継続する。

林さんは2003年に起業し、音楽教室を開いた。その後、スピーチなどに関するセミナー講師の依頼が増え、現在は俳優や歌手、アナウンサーの声、経営者、議員らのスピーチ、プレゼンテーションの相談、問題解決など、これまでに約4000人のコンサルティングを行っている。
子どもの吃音や発声に注目したのは10年ほど前。発声セミナーに参加した小児科医から、「子どもに声の出し方を教えて」との依頼を受けたのがきっかけだ。軽度の発達障害児の中には言語習得が遅い子がいるが、医療現場では発声指導はなく、言語へのアプローチが中心になるという。
「声が出ないと言葉にならない。顎(がく)が緊張していると、声はこもり、発音の明瞭度は下がりやすくなる。こうしたことが、その後の成長の中で、話すことでの表現を遠ざけてしまうのではないか」と林さん。
08年、小児科医、保育士、言語聴覚士らと、発声を遊びの中で身につける機会を提供しようと、未就学児を対象にしたプログラムを始めた。3年間活動したが、メンバーの転勤などで休止状態に。それがずっと心残りだったという。

今回は、自身の経験と知識を生かし、継続するためにも1人で取り組もうと準備。補助金などに頼らず、コンサルティングは無料で行うといった条件が整った。「伝えることで、信頼関係を築くことにもにつながる。4~15歳という年齢の子に、表現すること、伝えることを育んでほしい」と話している。
コンサルティングは、マンツーマンで行う。無料。問い合わせなどはメール(make.up.voice@mac.com)で。
(八代けい子)