太陽と霧が演出する癒やしのコラボレーション(松本市中山)

141209sikip 杉木立を包んでいた朝霧に突然、陽光が差し込み神々しい幻想的な光景が広がった。撮影していると手前のススキの株に一瞬スポット光が入り風情を添えた=ニコンD800E、ニッコールED70-200ミリ、松本市中山

松本地方で晩秋から初冬にかけて見られる朝霧は、季節の変わり目を告げる風物詩。
11月中旬、松本市中山で出合った朝霧は、杉の木立を越えて差し込む陽光を放射状に放ち、幻想的で神々しい雰囲気を漂わせた。太陽と霧が織り成し、降り注ぐ神秘的な光線に包まれると、不思議にも自分の心が洗われるような気がしてくる。まさに“心を洗う光のシャワー”のように映る。
この光彩は「光芒(こうぼう)」と呼ばれる。気象現象としては、雲の隙間から地上へ筋状に差し込む「薄明光線」と言われ、「天使の梯子(はしご)」という名称でもよく親しまれている現象である。「天使の梯子」は、旧約聖書創世記に由来し、ヤコブが夢の中で、天使たちがこの光の梯子を使い天と地を昇り降りする光景を見たとされる。
「光の魔術師」と言われたオランダの画家、レンブラントが光芒を好んで描いたことから「レンブラント光線」とも呼ぶ。
また宮沢賢治は、詩集「春と修羅」でこの現象を「空のパイプオルガン」と呼んでいる。奏でるとどんな音色が響くだろうか。
撮影しながら、ひときわ鮮やかさを増す光芒を前にしていると、手を合わせ、祈りの世界を連想する。心に栄養を届けてくれる大自然に感謝である。
(丸山祥司)