大自然の造形、壮麗なアイスカーテン(木曽町三岳)

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「立待月」に照らされて輝く氷柱群に、冬の星座が共演。脳裏に描く光景に最も近付けるため、あえて87枚のコンポジット撮影(比較明合成)の特性を生かし表現してみた=ニコンD800E、ニッコールED17-35ミリ、1月26日午後11時45分から30分間撮影

木曽町三岳の町指定文化財「白川の氷柱群」。高さ約50メートル、幅約250メートルに及ぶ壮麗なエメラルドグリーンのアイスカーテンが厳寒の木曽路の美観を際立たせている。
氷点下11.5度。満天の星空となった1月26日から27日へ日付が変わる時間帯、脳裏に浮かび描く幻想的な氷柱群の撮影に挑んだ。その光景は…月明かりに照らされ浮かび上がる氷柱群と一等星をちりばめて輝く冬の星座とのコラボレーションである。ストロボも人工光線(ライトアップ)も無用の世界。
撮影の鍵は、氷柱群に絡む星座の位置と月の位置のタイミングにある。日周運動などから撮影日と時間を割り出した。頭上付近に冬のダイヤモンド(シリウス、プロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバラン、リゲルの1等星を結んだ六角形)が輝き、月の斜光線の角度が氷柱群に立体感を出すレンブラントライティングになるのは、26日の「立待月(たちまちづき)」(17日目の月)だ。
午後9時半すぎ、ライトアップの照明が消えた。浮かび上がったのは、月に照らされた氷柱群と満天の星空。凛(りん)とした幽玄神秘な雰囲気が漂う“厳寒のステージ”にただ一人立った。足元の西野川の瀬音が静寂の中に太古の鼓動を刻む。オリオンとシリウスが頭上の木立に冬の詩(うた)を編んでいく感動の光景に、記者の心のカメラのシャッターが動いた。(丸山祥司)