大町市美麻の旧中村家住宅で「巻き俵」

大町市美麻の国重要文化財「旧中村家住宅」で6日、地域の正月の伝統行事「巻き俵」が行われた。家内安全などを願い、釣り鐘型の俵2つに前年収穫した稲わらを巻き、神棚の脇に飾る行事。参加した市職員や地域住民計5人は、寒さに白い息を吐きながら、地域に新しい年の到来を告げる行事に打ち込んだ。
同住宅では、建築された1698(元禄11)年から320年続く行事。毎年、俵に新しいわらを重ねていくのが習わしだが、重くなりすぎてしまうため、年によってはわらを少し外してから作業することもある。
青々とした新しいわらを麻のひもと竹のくぎで固定した今年の俵は、それぞれ高さ110センチ、重さ13キロ。木材を差し込んでハの字型にした後、さまざまな縁起物をぶら下げ、神棚の脇につり上げた。
近くに住む美麻公民館長の宮沢雄一さん(68)は「やっと地域に新年がきた。新しい年に地域の繁栄を願いたい」と話した。
巻き俵は北安曇郡の北部を中心に行われてきたが、農業の衰退と共に途絶えつつあり、現在は同住宅の他、小谷村の数軒で行われているくらいだという。市文化財センターの島田哲男所長は「毎年続けて長年続くこの風習を後世に残していかなければ」と話した。
(大山博)