外国人滞在時間増へ 日本文化体験など企画

外国人観光客を主なターゲットに、松本市内で忍者の演舞、和太鼓演奏などを行っている「響座」。運営する橋本信彦さん(61、同市庄内3)は、体験型イベントを企画するなど、増え続けている松本市の外国人観光客の滞在時間を長くする取り組みを広げようとしている。
橋本さんは「観光の仕事がしたい」と、4年前に勤めていた会社を早期退職。国宝松本城おもてなし隊の運営を受託する広告代理店アドソニック松本支社(同市島立)に入った。当初は、松本城本丸庭園内で、武士、甲冑(かっちゅう)、忍者の姿で記念写真に応ずるだけだったが、より心に残るおもてなしをと、簡単な演舞をするようになった。
今年から演劇のノウハウを取り入れ、本格的なショーを目指しているものの、活動の場は城内に限られていた。「松本城を訪れる一部の観光客を喜ばせるだけでなく、市内の回遊性を高めるためにも、活動範囲を広げたい」と1人で響座を7月に立ち上げた。現在は松本市のピカデリーホール(同市大手4)を拠点に、メンバー5人とともに活動してる。19日は午後1時半から松本城本丸庭園で剣劇ショーを予定している。
来年からは旅行事業にも着手する。外国人観光客をターゲットに「おもてなし隊が案内する市内歴史ツアー」のほか、手裏剣や和太鼓、書道、折り紙の体験講座などのツアーを用意。日本文化を体験してもらい、外国人観光客の滞在日数増につなげたい考えだ。
将来的には会社組織にする計画で、働く場が見つからないという若者を受け入れていくことも考えている。
松本市の外国人延べ宿泊者数は、東日本大震災のあった2011年は、1万7274人と大幅に落ち込んだが、12年の2万8727人以降伸び続け、昨年は14万755人。県内市町村でトップになった。県全体でも外国人宿泊者数は86万人余りで、前年比2割増と大幅に増えている。
橋本さんは「松本には、外国人が日本文化などを体験できる場が少なく、インバウンドの対応が遅れている。外国人が多いのに残念。長く滞在するきっかけをつくり、国際観光都市に貢献できたら」と話す。
(八代けい子)