壮大な氷河圏谷「星空劇場」(北ア穂高連峰・涸沢)

140814sikip涸沢カールの底から仰ぐ満天の星空。シルエットの稜線左側は前穂高岳と北尾根、中央下部が奥穂高岳、右側は北穂高岳と東稜(ニコンD3、ニッコールAF16㍉)

北アルプスの穂高連峰・涸沢で仰ぐ満天の星空は、ドラマチックで壮大だ。鋭い岩峰の稜(りょう)線が夜空をえぐり、氷河圏谷“星空劇場”になる。
7月29日午前0時50分。奥穂高岳山頂(3190メートル)から天の川(銀河)が立ち上がる。月明かりの無い夜空に暗黒星雲を浮き彫りにし、壮麗な天の川が存在感を際立たせている。
巨大な大自然のパラボラアンテナのような氷河地形(カール)の底で撮影する。真夜中、降りそそぐような星空に包まれていると、宇宙からの波動が伝わってくる気がするから不思議だ。夏の星空劇場は、癒やしの星の散歩道へ誘ってくれる。
まず明るく輝く夏の主役、七夕の織り姫星、こと座の一等星ベガに目線が動く。続いて銀河をはばたく北十字のはくちょう座のデネブへ…。
地球の自転軸の「歳差運動」により、北極星は現在のポラリスから、8000年後にはデネブ、1万2000年後にはベガへと移り変わるという。
1万2000年後へ空想が膨らむ。人類が愚かなあやまちから絶滅危惧種になっていなければいいが…。急に心が寒くなり般若心経を唱え、地球人の永遠の幸せを願った。「星に願いを」…。あなたは何をお願いしますか?
(丸山祥司)