塩尻中生徒が知られざる地元の歴史発掘 地域学習発表会で

塩尻市内の小中学生による「地域学習発表会」(街道交流事業実行委員会主催)が10日、市民交流センターえんぱーくで開かれた。塩尻東小学校と塩尻、広陵中学校の児童・生徒が歴史や文化など計5テーマで発表。このうち塩尻中「郷土の歴史班」2、3年生7人は「いてうやの堤」の知られざる歴史を掘り起こし、聴衆をうならせた。
永福寺(塩尻町)の西にあった堤は、天災で食料不足が深刻化した江戸末期の1860年、かんがい用のため池として造られ、現在は土手が名残をとどめている。
7人は寺の東にある観音堂について調べる中で堤に着目し、▽天災続きの中、中山道・塩尻宿の観音堂の御利益が知られた▽参拝者の増加を受けて1855年、観音堂を現在地に移転・新築する工事が開始▽翌年秋に棟梁(とうりょう)が事故死し、工事が中断▽塩尻宿で旅籠(はたご)や両替商などを営む小野佐一郎時恒が資金を援助し、地元住民を雇って堤を造り始めた-などの史実を発掘。
「堤造成の目的は米の増産だけではなく、悲しみに沈む地元に雇用を生み出し、人々の心を一つにまとめ上げることだった」とした。
発表会のアドバイザーで市文化財保護審議会委員の太田秀保さん(63、広丘野村)は「さまざまな事実を積み上げて照らし合わせ、当時の人々の気持ちまで浮かび上がらせた。小野時恒に光を当てた功績も大きい」と評価。
リーダーの平谷駿典さん(3年)は「目の前の一つの事象には、いろいろなことが関連していると分かった。地域の人にもっと地元の歴史を知ってほしい」と話していた。
(松尾尚久)