勝ちきる強さを物に-今季序盤を振り返る

今季の鍵として反町監督が開幕前から口にしてきた「スタートダッシュ」。目論見通り、シーズンの3分の1を終えて3位と、好調を維持している。昨季までと比較しながら、序盤の戦いぶりを振り返るのと同時に、中盤を展望する。
J2での過去2季と今季の、15節終了時点における勝敗や順位を比較すると、総失点が過去2季とさほど変わらない一方、総得点の多さが目を引く。12年より引き分けが増えた昨季は「負けない」試合で勝ち点を伸ばしたが、今季は「勝ちきる」試合が増えている。
総得点の4割に当たる10得点を挙げているのは船山だ。現時点のリーグ得点ランキングでは、元日本代表の京都・大黒(11得点)に次ぐ2位。12年の1シーズン12得点を上回り、キャリア最高となる可能性が、早くも見えてきた。
しかし船山は「自分だけ調子がいいわけではない。チームとしてしっかりハードワークができているということ」(東京Vとの開幕戦でハットトリックを決めて)など、折に触れてチーム状態の良さを強調する。
主力の多くは昇格時から在籍。継続的な強化で、個としても組織としても、着実に力を上積みしてきた。岩上、田中らの加入により、攻撃の幅が年々広がっている点も見落とせない。
反町監督は磐田戦後、「上位にいる充実感は選手たちに間違いなくある」と話した。上位にいることで高まる周囲の関心と期待。それが選手たちに高いモチベーションや緊張感をもたらす、好循環を生んでいると言える。
喜山は今季序盤について「去年、一昨年の失敗や悔しさを、最初から生かせている。勝っても、みんなで集中しようと引き締め合えている」と振り返る。

ただ、不安材料もある。塩沢と岩間が15節の磐田戦で負傷。特に塩沢は左アキレスけんを断裂し、長期離脱を余儀なくされた。前線からの守備やゴール前でのつぶれ役など、山雅らしさともいえる「泥くさいプレー」を体現するFWの離脱は、大きな痛手だ。
また昨季は6月、昇格後初の3連敗を含む1勝4敗と大きく負け越した。他チームが息切れする7月以降、好成績を残しただけに、中盤戦もこの状態を保てるかが、もう一つの鍵になりそうだ。
(長岩将弘)