ブラジル人3選手に聞くリオ五輪への思い

160818yamp日本勢の活躍でテレビの前での応援も盛り上がるブラジル・リオデジャネイロ五輪。熱戦の真っただ中だが、山雅に在籍する3人のブラジル人選手は、母国での一大イベントをどう見ているのだろう。開催への思いや注目の競技・選手、観戦エピソードなど、リオ五輪にまつわる話を聞いた。
■母国の良さ伝えるチャンス(オビナ)
南米大陸で初めて、さらに豪州以外の南半球でも初の五輪開催。3人は「うれしいことだが、いい部分も悪い部分もある」と冷静だ。
ウィリアンスが「明るい国民性や陽気な盛り上がりがポジティブな点」と言えば、オビナも「治安の悪さは心配だが、ブラジルの良い部分を世界の人たちに見てもらうチャンス」。
「ただし、熱狂で悪い部分が覆い隠されてしまわないか心配」とパウリーニョ。ウィリアンスは「貧富の差や不安定な政情は事実。この五輪が、より良い国になるきっかけになれば」と願う。
■サッカーで初の金メダルを(ウィリアンス)
注目競技を尋ねると、3人は「もちろん、男女のサッカーだよ」。
オビナは「オーバーエージ(OA)枠で出場、主将としてもチームを引っぱるFWネイマール(バルセロナ)に期待」。
ネイマールと交流試合で対戦経験があるウィリアンスは、個人的に接したこともあり、「人柄も素晴らしく、目標の選手」とリスペクト。「まだ金メダルを取ったことがないので、自国でぜひ果たしてほしい」。
パウリーニョはOA枠のGKフェルナンド・プラス(パルメイラス)と、母国のバスコ・ダ・ガマでチームメートだった。前評判に反して苦戦した予選について、「五輪で簡単に勝てる試合なんてない。厳しい戦いが続くだろうが頑張ってほしい」。
3人は予選で敗退した日本代表にも声援を送った。8日のコロンビア戦は山雅のチームメートらとクラブハウス内のテレビで観戦。「両方気になって」と、ウィリアンスは日本代表の試合を見ながら、同時刻の開催だったブラジル代表の試合をスマホでチェックした。
3人は他にバレーボールやビーチバレー、柔道などにも注目しているという。
■スポーツには大きな力ある(パウリーニョ)
ブラジルに今大会初の金メダルをもたらした柔道女子57キロ級のラファエラ・シルバは、貧民街に生まれ育ち、貧困や暴力、差別などと戦いながら栄冠をつかみ取った軌跡が日本でも紹介され、3人の間でも話題に。
ウィリアンスは「困難を乗り越え、多くの人に夢と勇気を与える姿は、同じアスリートとしても人間としても刺激を受ける」。
パウリーニョも難民選手団の初参加やドーピング問題を挙げ、「決して美しい物語ばかりに彩られているわけではない。が、スポーツには人の心を動かし、困難を克服させる大きな力がある」とうなずく。

パウリーニョは母国の女子ハンドボール代表と縁がある。出身地のサンタカタリーナ州ブルメナウはハンドボールが盛んで、14年の世界最優秀選手に選ばれたエドゥアルダ・タレスカは同郷。今大会の代表チームの主力選手ジェシカ・キンチーノは、友人の恋人なのだとか。
ブラジル女子は13年の世界選手権を制した強豪。今大会は準々決勝(16日)でオランダに敗れてメダルは逃したが、ブラジル人選手の「イチオシ」競技にも注目してみては。
(長岩将弘)