ナベヅル飛来、優雅に舞う(安曇野市穂高北穂高)

全国的に知名度が高い鹿島槍ケ岳の「鶴」の雪形と共演し飛翔するナベヅル。新春の安曇野に一生に1度出会えるかの夢のコラボが実現した=ニコンD3S、ニコンEDAF-Sニッコール1200ミリ、安曇野市穂高北穂高

安曇野市穂高北穂高の田んぼに5日飛来した珍鳥のナベヅル。新春の安曇野上空を優雅に舞い、白銀の鹿島槍ケ岳に透かし絵のように浮かぶ雪形の「鶴」と“共演”した。
午前7時すぎ、第1確認者の日本白鳥の会副会長の会田仁さん(68、同市穂高有明)からの一報で現地に急行した。雪のない田んぼでナベヅルは餌を探して行ったり来たり。
1200ミリの超望遠レンズで撮影しながら「もしかしたら」と熱い予感が走った。雪形研究・撮影歴50年になる記者にとって「鶴」の雪形との共演は、長年脳裏に描き続けてきた夢の光景である。
午前10時20分、大きく羽ばたき舞い上がった。北の鹿島槍ケ岳方面に向かい高度を上げている。小さくなる後ろ姿をファインダーに捉え、追った。突然、左へ旋回。飛翔高度は最高の位置だ。鹿島槍ケ岳中腹の高さで右から左へ横断するように飛翔。右側の「獅子(しし)」の雪形の上部をかすめ「鶴」の雪形に重なろうかという瞬間、シャッターボタンの指先が動いた。午前10時25分、何十年もの夢が実現した瞬間だった。
2004年1月、犀川白鳥湖に飛来した「カナダヅル」は、タイミングが合わず失敗。諦めず念じていたら、大自然が会心の一枚を撮らせてくれた。飛来したナベヅルに感謝である。
(丸山祥司)