タウン情報終刊 23年間に感謝

23年間ありがとう-。松本平タウン情報は31日、その歴史に幕を閉じる。「人、まち、暮らしをつなぐ」地域情報紙として、生活に役立つきめ細かな情報の発信や、人々がつながり交流する紙面づくりを心がけてきた。代わって、4月18日に創刊する「MG(メディアガーデン)プレス」に、新たな時代へのバトンを渡す。
最終は3524号。この間、地域の情報を幅広く扱ってきた。その中で特筆されるのが、2005年4月に開設された松本市小児科・内科夜間急病センターへの関わりだ。
「市民情報紙へのある母親からの1通の投書が、救急医療フォーラムの開催、そして急病センター設立へと一気に向かう大きな流れのひとつを作り出しました…」。15年8月、センター設立10周年で市が発行した記念誌に掲載された市医師会関係者の一文だ。
きっかけはセンター設立の4年前。01年6月、タウン情報の投書欄に載った「子どもの熱に冷たい対応」という32歳の女性の声だった。その後、女性と同じような経験をした人、医療関係者の苦労を理解する投書などが相次ぎ、市や医師会は11月、小児の救急医療体制についてのシンポジウムを開催。急病センター設置への動きにつながった。
一つの市民の声が掲載を機に大きな波紋となり、地域の課題を解決する動きに発展。結果的に、地域情報紙としての役割を発揮したケースといえる。

もう一つ、思いが強いのはサッカーJ2松本山雅FCの報道だ。
14年前の04年8月、タウン情報の1面に「松本にプロチームを」の記事が載った。他の新聞やテレビが注目していなかった頃で、チャントを歌うサポーターも「多い時で10人ほどだった」と、担当記者は言う。「夢」のようだったJリーグへ昇格して7年目。今期は6戦でまだ勝ち星がないが、市民が育てたプロチームとして、全国的にも関心は高い。

言葉は人を勇気づけたり励ましたりする一方、使い方によっては人を傷つける刃にもなりかねない。新聞も同様。固有名詞や電話番号の間違いで、関係者に迷惑をかけたケースもある。「活字」になった(紙へ印刷された)言葉は重い。その重みを胸に刻みつつ、「MGプレス」の一歩を踏み出したい。

1995年6月6日、創刊号の1面を飾ったのは、巨木を背にジャンプする6人の子ども。力いっぱい高く跳ぼうとするその姿に、未来への強い希望を感じる一枚だ。
この中の1人、赤羽彩夏さん(29、松本市寿小赤)は「わあ若い!。無邪気に飛び跳ねてますね」。当時6歳。はっきりとした記憶はないが「改めて紙面を見ると、創刊に立ち会えたことに感慨深いものがある」と話す。
あれから23年。准看護師として塩尻市内の病院に勤務する。「寝たきりになったお年寄りの患者さんが多いので、さまざまな変化に敏感でいることを心がけている。感謝してもらえることが一番のやりがい」。昨年5月に結婚し、今夏には新居が完成する予定だ。