【19節までを振り返り今後を展望】シーズン折り返し間近で12位・結果出せず苦闘

170622yamp得失点差で自動昇格を逃した昨季(3位)の悔しさを胸に、来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2で戦う山雅。今季は折り返しに近い19節まで終えて7勝5分け7敗、勝ち点26で12位ともがいている。ここまでの戦いぶりを、昨季や年間2位でJ1自動昇格を果たした2014年シーズンと比較して振り返り、今後を展望する。
今季は主力を含む昨季のメンバーが多く残ったこともあり、昨季をベースにキャンプの早い段階でチーム構築を終え、各部分の精度を上げる作業に取り組んで開幕を迎えた。
序盤は3、4節と6、7節で2回連勝するなど、まずまずの成績で乗り切ったが、5月に入ってから勝ちなしが5戦(11~15節)続き、順位もじりじりと後退。
アルウィンで水戸に敗れた18節(11日)終了時点で、2節以降では今季最低の15位まで低下。ホームでは4月29日の10節・讃岐戦以降、2カ月近く白星から遠ざかっている。
ただ、内容的には決して悪くない試合を続けており、安藤や當間らけがで長く戦列を離れていた選手が戻ってきたのも好材料。試合内容や戦力を結果に結び付けられるかが、上位浮上の鍵を握る。

今季が過去のシーズンと比べて異なるのは、序盤を終えてもチーム状況が上向かない点だ。
大きなけが人もなく、例年になく順調にキャンプを終えて迎えた横浜FCとの開幕戦。当日は「キング・カズ」三浦の50歳の誕生日で注目を集めたが、緊張や焦りからか動きが硬く、0-1で2季連続の黒星スタート。
しかし、4節・千葉戦は3-1で快勝し、Jリーグ6季目で初めてホーム開幕戦を白星で飾った。
続く5節は名古屋に逆転負けして10位に下がったが、それ以外は一桁順位を維持して10節まで終了。この辺りまでの順位推移は最終3位だった昨季とあまり変わらない。
だが、過去のシーズンはこの辺りからチームに安定感が出てきたのに対し、今季は逆に成績を落としていく。
反町監督が「前半戦のヤマ場」と位置づけた10~12節、13~15節の過密日程(9日間で3試合)で思うように勝ち点を積み上げられず、特に11節からは5試合勝ちなし(2分け3敗)と低迷。
16節の金沢戦で大勝し、ようやく6試合ぶりの勝利を手にしたが、続く17節の東京V戦は先制しながら終盤に追い付かれて引き分け。18節の水戸戦も優位に試合を進めながら隙を突かれた失点で黒星と、同じパターンで勝ち切れない試合が続いた。
ただ、東京V戦の後、敵将ロティーナ監督が「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と振り返ったように、内容が低調なわけではない。
反町監督が水戸戦の後、「いま、われわれがかかっている病気」と苦り切ったように、安易な失点は課題だが、数字からはむしろ深刻な得点力不足が浮かび上がる。
19節終了時の総失点14はリーグ最少。3失点以上した試合はなく、2失点も3試合にとどまる。
一方で総得点24は水戸、徳島と並び上から6番目の中位。4得点が2度、3得点が1度と「固め取り」があり、僅差の試合をものにする決定力は、実際はもう少し低い。
2点以上取った6試合は全て勝っており、仮に敗れた7試合全てでもう1点ずつ取れていれば、6試合が引き分けに。勝ち点6が足されて32になれば現在の3位に並ぶ。
得点者は8点の高崎がトップで工藤と宮阪が3点ずつ、石原と岩間、飯田が2点ずつ。前線の選手を中心に奮起が求められる。

J2の直近3シーズンで、2位の最終勝ち点は昨年が84(清水)、15年は82(磐田)、14年は83(山雅)。単純な比較はしにくいが、自動昇格圏にたどり着くには80が目安になる。
山雅が勝ち点80に達するには、今後の23試合で54が必要。仮に昨季あった「16戦無敗」(9勝7分け)を再現して勝ち点34を得たとしても、残り7試合を全勝しなくては届かない数字だ。
J1昇格プレーオフ制度が導入された12年シーズン以降、19節を終えて二桁順位だったチームが自動昇格した例はなく、状況は厳しい。
同様にプレーオフ進出圏である6位の最終勝ち点を見ると、昨年は65(岡山)、15年は60(長崎)、14年は64(山形)。仮にプレーオフ進出を争う目安を65とすると、23試合で必要な勝ち点は39で、この辺りが現実的な目標と言えそうだ。それでも1試合平均で2に近い勝ち点が求められ、厳しい状況は変わらない。
19節を終えて勝ち点差は2-3位の間で5、17-18位と18-19位の間で4ずつ開いており、上・中・下位の色分けが見え始めている。
山雅を含む中位は勝ち点9差内に15チームがひしめく。特に3位の横浜FCから11位の大分までは3差内の大混戦だ。
ただ、その下につける山雅にとっては、ジャンプアップのチャンスでもある。下位を突き放すためにも、勝ち点で並ぶ岡山との次節は重要な一戦だ。
間もなく、山雅が例年強みを発揮してきた夏を迎える。諦めずに走り切ることで浮上のきっかけをつかみ、巻き返しを図りたい。
(長岩将弘)